大場さんは山形の農家に生まれ、29歳まで農民として大地や自然を相手に暮らしていました。北極も、山形も、見渡せば360度人気のない平らな世界。大場さんにとって、広い田畑を耕すことと北極を重いそりをひいて歩くことはそれほど変わらないといいます。誰と競争するわけでもなく、歩いて、食べて、眠って、歩いて、歩いて、ただその先にゴールがある。一歩一歩大地を感じながら自分の足で歩いている限り、大場さんの中で地球はひとつにつながっているのです。
しかし、地球を横回り一周するとしたら、そこには海が多い。海があると、自分の足では歩けない。そして大場さんは東北出身のため暑さは苦手。縦ならば、北極南極を結ぶと、その間には暑いところはもちろんあるけれど、寒いところがあったり、砂漠があったり、ジャングルがあったり、バラエティに富んでいて面白い。だからこそ「横回り」ではなく、「縦回り」なのです。
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