私達は今、レゾリュート・ベイで、2月28日の出発に向けて準備を進めている。
インズ・ノースというホテルに入り、そこのガレージに借りて、ソリやスキー、テントなどキャンピング用具を点検したり、
また海氷上でそりを引き、練習を行っている。
レゾリュート・ベイの気温は-25℃〜-35℃程で、風が吹くととても寒く、じっとしていられないほどだ。
スキー・セーリングをしに海氷上に行くとそりを引く犬たちが繋がれている。
子犬たちは放たれており毛がふくらみ、ボールのように丸々として、走るとぬいぐるみの犬が走っているように見え、とてもかわいい。
スキー・セールで滑走すると、その後を一緒に追う形で走ってついてくる。
私は今日、ガレージでガソリンを容器に詰める。
テント内でお湯を沸かしたり、暖房や汗で湿った手袋や靴下などを乾かすための燃料である。
1.5Lのボトルに18本、4.5L入りの容器3つを満タンにして持っていくことにする。
今回は一日700cc使うと計算して、50日分で35Lと考えている。又スキー・セールは今回3種類を携帯することにした。
4m²、7m²に4m²のフラップをつけた11m²、そして24m²が大型だ。風の強弱に応じてセールの大小を使い分け、滑走する予定だ。
テントもゴールドウィンの会社から提供していただいたノース・フェイス製のテントだ。
キッチンで働くマーターさんから、ミシンを借りてテントのオーバーフライシートにスカート(50cm幅)を縫い付けることが出来た。
ホヴァードとステパンはとても器用なのでミシンの扱いに慣れていた。
徹夜でやってくれた。このスカートにシャベルで雪をのせればテントの底に風が吹き込まず、飛ばされる心配もなく且つ暖かい。
キッチンの食事は、まず朝食だが、スクランブル・エッグにベーコン、トースト、ジャガイモのフライを細切れに切ったものだ。
スープは無し、コーヒーかティーで流し込む。昼食は、揚げ物、肉や魚などが多く。そしてパン。そしてコーヒーで済ます。
夜は、ステーキや魚料理、スープ、サラダと、それこそ盆と正月が一緒に来たようなビックミールだ。
初めの頃おいしくてバクバク食べていたが、皆そろそろ飽きてきたようで、だんだん小食になってきている。
デザートもケーキ類やクッキー類が常時食べられるようたくさん並べられており、ジュースやコーヒー、ティーも同様だ。
キッチンは50人程が食べられる広いスペースがあり、窓から外を見るとレゾリュート湾の海氷が臨める。
私は体調は悪くない。今朝、ステパンが風をひいたのか朝食を食べず、寝ている。
ゆっくり休むほうがベストで、しっかり直して出発する方がいい。
ところでホバードは今日、朝起きてこなかった。風邪をひいたようで今日は一日中寝ている。
もし明日も酷ければ、病院に連れて行く予定である。出発に向けて、気持ちも盛り上がってきている。
大場満郎
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