2005年3月1日

イヌイットについて

私たちが今宿泊して旅の準備をしているインズ・ノースはイヌイットの村の中にある。 イヌイットは、私たち日本人と同じモンゴロイドであり、顔つき姿形がそっくりで、 赤ちゃんのお尻には青いあざ(蒙古斑)があり、目の色も黒く髪の毛も黒い。 インズ・ノースのホテルには、気楽に村の人々が出入りしており、食堂に集まっては食事をしたり話をして楽しんでいる。 若い子連れのお母さんもよく来るが、背中に赤ちゃんをおんぶしてくる。 その着ているものがとてもおもしろく、アオマテックといって背中の大きな袋に赤ちゃんを入れている。 長さもこのアオマテックは結構あり、後ろはふくらはぎの部分までもたれている。

ホテル・オーナーのルーカスは、27歳奥さんと3人の子供がいる。 長女のアンジュリーン、妹のクリスティーナ、そして赤ちゃんアンジュリーンもクリスティーナも英語を話す。 でもルーカスはイヌイット語も話すし、読むこともできる。 4年前から、州名もノースウエスト・テリトリー州の英語名から、ヌナブト準州(イヌイット語:我らが大地)に変わった。 これからイヌイットの伝統的な文化・生活を名実共に呼び戻す取り組みを力強く歩んでいるのが彼らを見ていて理解できる。 テレビでも2つのチャンネルが、イヌイット語の番組を流している。 伝統的な衣装を身に着け踊り太鼓をたたき、歌声を上げて大衆がそれをほほえましく見ている。

今日はレゾリュートの小学校に行ってきた。ここは保育園・小学校・ハイスクールの3つの学校が、一つの建物の中にある。 うわさで聞くとおり保育園では、まず英語よりもイヌイット語の学習をしていた。 見慣れない文字が教室の一面に掛けられており、また違う教室では学校を卒業した10〜20代の若い女性たちが集まり、 イヌイット語の歌を地元のお母さんたちを学校に呼んで習っていた。 お互いに向かい合い腹を合わせるような近さで、 腕を取り合って、「ウゥエェ、ウゥエェ、ウゥエェ」と喉から息を搾り出すように息はき出すのだ。 そのリズムがとても早く、二人の息がぴったりあわないとだめなのであり、練習のいる歌い方であった。 私たちはそれを見ていて一瞬面食らってしまい、口をポカンと開けてみていた。 イヌイットの伝統等的な歌ということで、不思議な気持ちを持つことができた。

今回この学校に、地球縦回り一周の旅のパイロット校になってくれないかと依頼したところ、喜んでこころよく引き受けてくれた。 これでノルウェー、ロシア、カナダ、日本のほかにも、イヌイットの学校がパイロット校として参加してくれることになり、 大変うれしい。イヌイットの生活・文化・言葉、その他もろもろ、色んな方々に伝えることを楽しみにしている。

大場満郎    


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