第二弾 カナダ編 (2005年2月16日〜6月30日予定)
ご挨拶 概要 ルート
隊員 専門家 パイロット校
プロジェクト全体図


カナダ編 企画書 (PDF)
ご挨拶

地球縦回り一周の旅の第一弾・グリーンランド編は、皆様のご協力・ご支援により、 無事に目的を果たし終えることができました。 私たち隊員と一緒に旅をしてくれたパイロット校の生徒たちや専門家の先生、 そしてスポンサーになってくださった企業、多くの方々に心から感謝いたします。

さて、地球縦回り一周の旅の第二弾をカナダ北極圏に定めました。 今回の旅も「自然環境」と「民族文化」を二大テーマとし、 カナダ北極圏における地球温暖化の影響や人々の伝統的な生活文化、 そして現地の野生動物や植物、地質や気象などを調査・レポートしてゆきたいと考えております。

近年の異常気象は、地球各地で起きております。 バングラデシュの大洪水は、国土の2/3が水没する深刻な事態となっております。 また、インド北東部のビハール州も、上流ネパールでの大雨で、洪水に見舞われているとのことです。 さらに、スウェーデンやアメリカのテキサス州でも数時間で半年の雨が、まとまって降り大きな被害が出ています。 北アフリカのアルジェリアでは、大雨でバッタが異常繁殖し、 ヨーロッパに北上してまた戻るという大移動を行い、その後は、緑を食いつくされた大地が、 無残に残るだけの状態になっています。一方、スペインやアメリカ南部の熱波は、49℃という気温下になり、 自然発火の山火事で広大な面積の山林が、消滅しております。 異常な暑さは、メキシコ、日本、アジアでも同様、地球規模で広がっています。

さらに、この温暖化は北極海の海氷を10年で1割減少させているとも言われています。 グリーンランドの氷河が後退し、海岸線の海氷の張りも年々悪くなり、 イヌイットが伝統的な移動手段の犬ゾリを走らせる海氷上での猟期が短くなり生計が立てられず、 骨や石の工芸品を作り販売したり、公務員になるなど、生活の変化を余儀なくされています。 また南太平洋のツバルは水没寸前の状態であり、ニュージーランドに移住する話が聞こえてきております。 これは海水の温度が1℃か2℃上昇すると、海面の膨張が起きて、海抜の低い国は、水没の危機に陥っているわけです。 そして、フィジーやトンガでもハリケーンが非常に大きな問題となっておりますし、 モンゴルの凍土が溶け始めていると聞きます。 また、南極のロス棚氷は600kmにもわたり大きく崩れて海を漂っているといいます。

これらの世界各地、地球全体で起きている災害が人間活動による地球規模での温室効果の影響であるなら、 私達は、今すぐ何らかの行動を起こし、食い止める努力をしなくてはならないと思います。

北極海は、北半球の大気の流れを決定づける重要かつデリケートな場所です。 今、この北極圏で何が起きているのか、じかに目で見て肌で感じることは、貴重な試みであると考えます。 また、大学や研究機関と連携して科学観測を行い、海水、海氷、氷河、氷山、雪、紫外線などの環境調査やシロクマ、 カリブー、北極ギツネなどの野生動植物の生態系に関する学術的なデータの収集も考えています。 さらに、現地の人の伝統的な生活文化などを全般にわたってレポートし、温暖化をどうとらえ生きているか等、 様々なトピックを、多角的に、幅広い視野で見つめてみます。

隊員は、インターネットを介して、現地での体験や調査レポートをホームページにアップしてゆきます。 また衛星電話で、小中高のパイロット校の生徒とリアルタイムで質疑応答を行います。 疑問に思ったことなど、質問は、専門家に答えていただきます。 国際隊を組み、海外のパイロット校にも参加していただき、 異文化交流を通じて地球環境の大切さを実感できる場をつくってゆきたい、 そして持続可能な社会の構築を目指してゆきたいと思っております。

地球縦回り事務局
代表 大場満郎
(環境省 環のくらし応援団)
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概要
期間 2005年2月16日 〜 2005年6月30日(予定)
ルート Ward Hunt Island(ワード・ハント島)− Churchill(チャーチル)
目的 1. カナダ北極圏(ワード・ハント島からチャーチルまで)を縦断すること。

2. カナダ北極圏の自然環境を体験・調査・伝達すること。

3. カナダ北極圏に住む人々(カナディアン・イヌイット)の生活文化を体験・伝達すること。

上記の活動を通して、地球環境に対する認識、そして異文化に対する理解度を高め、今後の地球社会のあり方について考え、議論する場をつくる。
隊員 国際隊(日本・ロシア・カナダ・ノルウェーなど)を編成予定。 日本からも隊員を募集しております。 隊員希望の方は、地球縦回り事務局までご連絡ください。
移動手段 徒歩、スキーセーリング
教育プログラム 日本・ロシア・カナダ・ノルウェーなどのパイロット校を数校選出する。 パイロット校の生徒たちには、隊員たちとのリアルタイム交信を通して、 またホームページ上に掲載される隊員たちの体験談や調査レポートをもとに、 環境問題、異文化などを継続的に学習してもらう。 学習の中で生じた質問に対しては、隊員もしくは教育・研究機関の専門家がホームページ上で回答する。

■ 隊員たちは、ホームページ上の「隊員日誌」にて、文章・写真・映像を交えて、現地での体験を綴る。

■ パイロット校の生徒たちと現地の隊員たちの間で、衛星電話を用いた定期的なリアルタイム交信を行う。隊員たちは、現地の様子を伝えると同時に、生徒たちからの質問に答える。

■ 隊員たちと専門家の先生方は、ホームページ上の「たてまわり質問箱」にて、パイロット校の生徒たち、そして一般の方々からの質問を受け付け、回答する。

■ 各国(日本・ロシア・カナダ・ノルウェーを予定)のパイロット校の間で、インターネットのテレビ電話を用いて、異文化交流の場をつくる。また、各国もしくはそれぞれの地域が直面している環境問題についての情報交換や意見交換を行い、地球環境について考え、議論する場をもつ。
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ルート
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隊員

■ 大場満郎 Mitsuro Ohba (隊長/日本)

1953年1月10日生まれ。アースアカデミー大場満郎冒険学校主宰。
29歳まで地元山形で農業に従事した後、世界の農業に興味をもち、中国、ヨーロッパ、南米に渡る。 特に83年にはアマゾン川6000kmを筏で下り、周辺地域の農業を視察。 それ以来、85年のグリーンランド単独徒歩に始まり、 97年、北極海単独徒歩横断、99年、南極大陸単独徒歩横断に成功。 世界で初めて両極単独徒歩横断に成功し、第4回植村直己冒険賞を受賞。

本人のコメント

地球縦回りの旅第二弾に決まった、カナダ北極圏は、思い出深いところだ。 1986年に、ベースキャンプ地のレゾリュートべイから、北磁極まで往復900kmを歩いているし、 翌年、1987年には、レゾリュートからカナダ最北端の村、グレイスフィヨルドを通り、 スミス海峡まで、これも一人で歩いている。

カナダのヌナブト準州の春先は、強く、冷たい風(ブリザード)が吹き荒れ、 マイナス50度以上よりも気温が下がる、厳しい環境にある。 そんな環境下でも、白いオオカミ、ホッキョクグマ、アザラシ、ホッキョクギツネ、 ウサギ、ジャコウウシ、カリブー,レミング等の野生動物。また、ライチョウ、タカ、極アジサシ、 フクロウなど、多くの鳥類も生息している。 イヌイットもこれ等の獲物を狩り、食し、毛皮を衣服に加工し、自然の恩恵を受け、 自然と調和して生き続けている。

大自然の厳しい環境の中で、イヌイットは何を思い、何を夢見て、生きているのだろうか。 そして、地球温暖化の波は、極北の自然、野生動物に、どのような影響を与えているのか。 又、温暖化をイヌイットは、どうとらえ対応しているのかなど、幅広い視点で探ってみたいと思います。 また、今回は、子どもたちにも、現地に入って自分の目でじかに見て、 さらに、肌で感じたことを、子どもの視線で多くの方々に伝えていくことを考えている。

さあ、私たちと一緒に、極北のたびに出かけましょう!。


■ 小林丈一 Joichi Kobayashi (隊員/日本)

1971年11月1日生まれ。明海大学卒。
過去に自転車で欧州一周、欧州アルプスに登る。 ヒマラヤ・エベレスト街道ではごみ拾いをして調査をしながら下山。 その他、北米や東南アジア縦断など。 旅先で多くの自然に感動を与えてもらい、多くの人々から親切を受けた。 そこで、生涯をもって地球に世界に恩返しがしたくて、 世のため人のためを探究するべく、 東北公益文科大学4年に在学中。2005年4月からは同大学院公益学研究科公益学専攻。

本人のコメント

1971年11月1日生まれ。明海大学卒。 過去に自転車で欧州一周、欧州アルプスに登る。 ヒマラヤ・エベレスト街道ではごみ拾いをして調査をしながら下山。 その他、北米や東南アジア縦断など。 旅先で多くの自然に感動を与えてもらい、多くの人々から親切を受けた。 そこで、生涯をもって地球に世界に恩返しがしたくて、 世のため人のためを探究するべく、東北公益文科大学4年に在学中。 2005年4月からは同大学院公益学研究科公益学専攻。


■ ステパン・ヴィタリヴィチ・グヴォズデヴ Stepan Vitalyevich Gvozdev (隊員/ロシア)

1967年2月17日生まれ。トムスキー大学理工学部卒(自動化管理システム、無線電子工学)。
大学時代よりアウトドアに興味を持ち、アルタイ山脈、コーカサス山脈や天山山脈のレーニン山を登頂。 また、マトヴェイ・シュパロ氏率いる歴史的なマッキンリー登頂に参加(全11名の隊員の内、2名の脊髄障害者がいたが、参加した11名全員が登頂に成功した)。 スキー、柔道、パラシュート・ジャンプ、ダイビング、スイミングなど数多くのスポーツを愛好している。現在、故郷のクラスノヤースク(ロシア)にて、電子技術者として働きながら、家族5人と生活している。

本人のコメント

子どもの教育プログラムと関わりのある、このエクスペディションにとても感激しています。 わたしの故郷、クラスノヤースクからもパイロット校が一校選ばれることを望んでいます。 また、ロシアでも著名な日本人冒険家、大場満郎氏の冒険学校(アースアカデミー・大場満郎冒険学校)にも何らかの形で貢献できればと考えています。 そして、私にはもう一つの目的があります。それは、ロシアでもとても重要視されている、自然環境保全の問題を学ぶことです。


■ ホヴァード・スヴィダル-ホーガン Håvard Svidal-Haugan (隊員/ノルウェー)

1976年11月4日生まれ。 ノルウェーの中心部に位置する小さな山村・ゲリコで育ち、幼少の頃からアウトドアに親しむ。 高等学校にて農学・環境学を学んだ後、4年間、ノルウェーの軍隊で過ごす。 これまで、北緯78度に位置するノルウェーの辺境の島、スバールバルの外周600キロをスキーにて踏破。 また、グリーンランド内陸氷床600キロの横断も経験。 幅広いスポーツに興味があり、クロスカントリー・滑降スキーをはじめ、自転車、ブラジリアン柔術、ロッククライミングなど、数多くのスポーツに慣れ親しんでいる。 現在は、フリーのコンサルタントとして、警備会社などのコンサルティングに携わっている。ノルウェーの首都・オスロ在住。

本人のコメント

偉大なる日本人冒険家の大場満郎氏とその他のチームメンバーに加わって「地球縦回り一周の旅」カナダ編の隊員として参加できることをとても光栄に感じております。 私は、この冒険を通して、科学的事実を収集し、深刻な地球規模の環境変化を伝える必要性があると思っています。 結局のところ、私たちは、次の世代のために、この惑星を安全管理しているわけです。 私は、かねてから、北極の気候や環境に興味をもっており、魅力を感じておりました。 そして今、その北極地域に住む人々や動物と直に接する機会を与えられました。 私自身の体験を伝えることで、興味を持っている人々、 特に私たちの旅を追いかけてくれるパイロット校の子どもたちが喜んでくだされば幸いです。

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専門家

■ 荒木裕子(あらき ひろこ)専任講師 (食品学、栄養学)
聖徳栄養短期大学食物栄養学科

■ 岩坂泰信(いわさか やすのぶ)教授 (大気、気象)
名古屋大学環境学研究科

■ 大歳恒彦(おおとし つねひこ)教授 (環境モニタリング、酸性雨)
東北公益文科大学

■ 岸上伸啓(きしがみ のぶひろ)助教授 (文化人類学)
国立民族学博物館

■ ゴードン・ギーズブレクト 教授 (人間生理学)
マニトバ大学(ウィニペグ、カナダ) 運動・環境医学研究所 所長

■ スチュアート ヘンリ 教授 (北方民族)
放送大学 文化科学研究科
総合文化プログラム 文化情報科学群

■ 藤井理行(ふじい よしゆき)教授 (雪氷、極地環境)
国立極地研究所

■ 増井光子(ますい みつこ)園長 (野生動物医学、動物行動学)
横浜市よこはま動物園ズーラシア

■ 的場澄人(まとば すみと)博士 (雪氷、極地環境)
国立環境研究所 環境研究基盤技術ラボラトリー
科学技術振興事業団 重点研究支援協力員

■ 渡辺暁雄(わたなべ あけお)講師 (社会学)
東北公益文科大学

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パイロット校

■ American School in Japan(アメリカンスクール・イン・ジャパン) 
1-1-1 Nomizu, chofu-shi Tokyo 182-0031, Japan (日本)

■ 竹富町立上原小学校 
〒907-1541 沖縄県八重山郡竹富町字上原383 (日本)

■ King George School (キングジョージスクール) 
2108-10th Street NW, Calgary, Alberta, Canada T2M 3M4 (カナダ)

■ Municipal Secondary School 99 (クラスノヤースク市立中等学校99) 
8A Ushkova Street, Krasnoyarsk 660113, Russia (ロシア)

■ 薩摩川内市立大軣小学校 
〒895-1504 鹿児島県薩摩川内市祁答院町下手974 (日本)

■ 千代田区立一橋中学校 
〒101-0003 東京都千代田区一ツ橋2-6-14 (日本)

■ 最上町立満沢小学校 
〒999-6107 山形県最上郡最上町大字満澤309-1 (日本)

■ Rand skule (ランド小学校) 
Rand skule, 6896 Hopland, Norway (ノルウェー)
ウェブサイト: http://gs.stryn.kommune.no/rand.skule/

■ Utvik barnehage (ユトヴィク幼稚園) 
6797 Utvik, Norway (ノルウェー)

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プロジェクト全体図

1. パイロット校の生徒たちと現地の隊員たちの間で、衛星電話を用いた定期的なリアルタイム交信を行う。 隊員たちは、現地の様子を伝えると同時に、生徒たちからの質問に答える。

2. 隊員たちは、ホームページ上の「隊員日誌」にて、文章・写真・映像を交えて、現地での体験を綴る。 また、「たてまわり質問箱」に寄せられた質問に対して回答する。

3. 各種メディアを通して、隊員たちが現地での体験を伝える(例、連載記事、ラジオ番組出演)。 また、テレビ取材班が同行して、隊員の様子や現地の情報を発信する。

4. パイロット校の生徒たちや一般の方々がホームページにアクセスし、 隊員たちの体験談や調査レポートをもとに環境問題、異文化などを学習する(総合的学習に活用)。 疑問に思ったことなどは、「たてまわり質問箱」に投稿する。

5. 「たてまわり質問箱」に寄せられた生徒たちの質問に対して、 教育・研究機関の専門家がホームページ上で回答する。

6. 各種メディアと連携して、地球縦回りプロジェクトの広報・出版等を行う。

※その他、各国のパイロット校の間で環境問題や異文化理解という観点から情報交換や意見交換を行うことを計画中!

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