2004年5月7日

子供の遊び

グリーンランドに来る前は、子供たちは一体どんな遊びをしているんだろう?と想像もつかなかった。 来てみると、自分が昔やった遊びとそんなに変わらないものにたくさん出会って、懐(なつ)かしいような嬉しいような気持ちになった。

子供たちと一緒にいると、いつの間にか遊びに参加させられる。鬼ごっこなんて、何年ぶりにやっただろう。 鬼が一人いて、誰かにさわると、さわられた人が今度は鬼になるというルール。気がついたら、息をきらせて本気で逃げ回っていた。

以前に、東グリーンランドにいたときに、 日本人の父とデンマーク人の母をもつヒデオ・サワハタに、「佐紀子さんの二人の娘さんたちは、 グリーンランド人らしかった? それとも日本人らしかった?」と質問されたことがあった。 どっちかな、と少し考えた後で、「どっちともいえる。でも、そもそも子供って、どこの国の子供も、 そんなに違わないと思わない?」と言ったら、 ヒデオは「そうだね、その通りだったね」といって笑っていた。


手作りの木の小さな船を引っぱっている男の子とすれ違った。


木の船はソリのような形。水に浮かべて遊ぶらしい。


左から、エリザベス、ラシーナ、クリスティーン。 流行のグリーンランドのポップ・ミュージックに合わせた創作ダンスを披露してくれた。 ダンスの振り付けは自分たちで考える。

なんと、グリーンランドにもジャンケンがあった。日本と同じ、グー・チョキ・パー。 グーはチョキより強く、チョキはパーより強く、パーはグーより強い。 グーが石で、チョキがはさみで、パーが紙という意味も同じだった。

「じゃんけんぽん」のかけ声は「Naalakersaaternjussuata」(ナーリックーサーツーユーシュワッタ)。 「あいこでしょ」も同じだった。 「Naalakersaaternjussuata」(ナーリックーサーツーユーシュワッタ)という言葉には、特に意味はないという。

誰に教わったのか聞いてみたら、近所の年上の子供に教わったという。ウマナックの子供の間では知れ渡っている遊びのようだ。 負けた人は、なにか罰ゲームをすることもある。(私が負けたときは、鉄でできた重いネジを10回まわす、という罰だった)


3人以上集まれば、大縄飛びもできる。


4人いれば、綱引きもできる。縄跳びの縄が、今度は綱引きの綱になった。

棒くぐり。綱引きの綱は、棒くぐりの棒に変身。 たった一本の太い縄で、何通りもの遊びを工夫していた。 「夕ご飯よ!」という声が家から聞こえるまで、ぎりぎりまで外で遊んでいた。


ラシーナ。活発でオシャマな11才。

写真が大好きな子供たち。キャノンのデジカメ(KISS EOS DIDITAL)の操作を、 あっという間に覚えて、お互いを撮りあって遊びはじめた。

バービー人形は大人気だし、プレイステーションやパソコン・ゲームも流行っている。 テレビでは「ハム太郎」も見ることができるし、 「キャンディ・キャンディ」のビデオが大好きという女の子もいた。塗り絵や着せ替え人形、お絵かきも定番だ。 同じ年頃の子供同士なら、なおさらのこと、さぞかしにぎやかに楽しく遊ぶのだろうな、と思った。

グリーンランドに来て、本当に毎日、初めてのことに出会う。初めての味、初めての景色、初めての出会い・・・。 自分に、まだこんなにたくさんの「初めて」が残っていて、これほどいろいろなことに驚くことができるなんて、 グリーンランドに来る前は、考えもしなかった。

    


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