宮下典子隊員の日誌

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2008年4月27日

アイスホッケー

同じ宿に泊まっていた、ケープ・ドーセット(Cape Dorset)から来ていたマークが、アイスホッケーの試合に出るというので、応援に行った。ケープ・ドーセットは、芸術活動が盛んで有名なところ。普段は警察官だというマークは、2歳のときにスティックを持ち始めて、アイスホッケーに親しんできた。彼はiPodで音楽を聴きながらハンティングに行くし、イヌイットアートの彫刻もする。iPodは赤とピンクの派手なラバーのカバーで包まれていて、これはハンティングに行って、万が一氷の上に落としたときに見つけやすいようにだという。バッハからグリーン・ディ、ビートルズからディズニー、サルサ、3000曲近く入っていた。


アイスホッケーは、カナダの国民的スポーツ。ヌナブトにもたくさんのチームがある。子供たちも、よく小さなスティックで練習をしている。

試合終了3分前に同点に追いついたのに、1分前に相手方にもう1点入れられてしまった。結果は4:3でパンゲルタン(Pangnirtung)の勝ち。

試合後はケープ・ドーセットのチームを応援に来ていたイーバの家に、招いてもらった。アークティック・チャー(北極イワナ)の干物やカリブー肉を食べ、くつろいでいろいろな話をしながら、イーバのお手製のトマトミートソースが出来上がるのを待った。チーム最年長のジョー(あと2週間で50歳になる)が、もう昔の生活に戻りたくはないと言った。昔の暮らしとは、例えばテントでの暮らしやテレビのない生活。では、時代が変わっても、失いたくないものは何?と聞いてみた。すると、ジョーはすぐに、生肉を食べることと、そして人を温かく迎える心だ、といった。

変わっていく環境の中で、何かをあきらめなければならない時はある。では、大切に守っていきたいものとはなんだろう。
イーバの家で、一匹の北極イワナをみんなでむしりながら食べたような温かい時間は、これからもずっと大切にしたいと思った。


イーバ(Iva)の台所のウッルッ(Ullu)。いろんな形や大きさがある。どれも普段使いのもの。

宮下 典子

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