大場満郎隊員の日誌

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2008年5月30日

氷河湖

北緯82度以北の氷河湖に、雪や氷もほとんどない川原をソリを引き、やっとたどり着く。春の到来で、山や川原の雪はすっかりといっていいほど解け、無くなっている。川岸に少しだけ、土や砂や泥で汚れた雪がへばりつくように残っており、これも数日のうちに、全て消え去ってしまうだろう。川は水音高く、山々からの雪解け水を流し続けており、氷河湖へと注いでいる。

スキーで氷河湖へ乗り入れてみようとしたが、川の水が氷上に流入し、積もった雪を柔らかくしたり、解かし始めており、スキーでも氷や雪が沈み、水中に没してしまう。氷河湖の氷の上に川の水が入り、雪がふたをしている状態であり、白夜の季節を迎え、表面の薄い氷や雪が柔らかくなっており、スキーでも歩けない状態になっていた。冬の寒い時期なら川の水は凍り、水の流れは全く無いのだが、もう春の到来であり、暖かく、日中は気温はプラスにもなり、夜間でもマイナス1度かマイナス2度の暖かさである。

季節が一ヶ月早まったとイヌイットの人々は言っていたが、私も同感であり、5月下旬に山や川原から雪がすっかり消え去ってしまうとは想像すらしていなかった。

この氷河湖を越えないと先へは進めないし、さりとて、真水の薄氷を一人で歩いて渡るのは危険すぎる。多分、今回の旅は、ここで終止符を打つことになるだろう。地球の温暖化を肌で感じた旅であり、多くの人々にこの事を伝えていくつもりだ。

大場 満郎

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