大場満郎隊員の日誌

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2008年6月1日

毛変わり中のホッキョクギツネ

今朝、氷河湖のほとりを小走りに移動している動物が見えた。なんだろう?私の方を見て立ち止まり、走りよる動作をして、すぐまた立ち止まり、警戒しては戻っていく。ホッキョクギツネだった。腰のところが黒くなっており、初め見たとき、「あれ?こんな毛色の野生動物はいたっけかな?」と考えてしまった。その距離約150mなのでよく見えなかったのだが、でもすぐに、「あ、そうか、もう毛変わりの季節なんだ」と、納得する。

冬の間は真っ白な毛が、今は毛変わりの時期で茶色っぽくなっていたのだ。ちょっと見て、みすぼらしい姿でもある。あの真っ白な毛皮を着た貴婦人が、白と茶色のパッチ状態の毛皮を身にまとっている。エルズミア島に生息するホッキョクオオカミやホッキョクウサギは毛変わりはせず、一年中、毛は白いままだと動物カメラマンの土岐さんは話してくれた。

日本の野ウサギは、夏と冬は衣替えをする。目の周りから変わっていくので、ウサギがめがねをかけたと言っては、春の訪れを感じるという。ホッキョクギツネもこれから繁殖期を迎え、子どもを産み、育てていく。暖かな春は、ホッキョクギツネにとっても、子育てをするのに最も適しており、また忙しくなる時期でもあろう。

スノーバンピング

背中と両翼の先が黒く、腹の白いスズメ大の野鳥を良く見かける。今日も山に登っていると、2羽のつがいが私の後についてくる。人懐っこい鳥のようである。山の岩や石の間に生えている草やコケの上を渡り、何かを餌としているようだ。

私が振り向くと少し遠のき、歩き始めるとまたついてくる。愛嬌のある鳥である。多分、人間を見るのも初めてのことであろう。だから、好奇心でついて来るのか、単純に何か餌をもらえると思っているのだろうか。

不思議に思うのは、ライチョウでもホッキョクグマでもジャコウウシでもそうだが、私に敵意が無く、暖かい気持ちで落ち着いた行動をしている、相手も気を許してくれるのか、逃げることなく平常な姿を見せてくれる。

大場 満郎

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