私は、20年間かけて二つの大きな夢を成し遂げてきました。単独徒歩による、北極及び南極の横断です。この夢を達成するために、数々の冒険を行い、肉体と精神を鍛えてきました。今から振り返れば、日々の生活は、全てこれらの夢を叶える為だけにあったと言えます。これも、多くの方々の心暖まるご支援の賜だと、心より感謝しております。

さて、現在は次なる夢に向けて始動しております。過去の冒険を通して、私が今までに体験したこと、見たこと、感じたことを、多くの方々に伝えたいと思い、「地球縦回り一周の旅」を計画いたしました。

実際に自分の足で地球を旅して感じることは、環境が相当に痛めつけられ、自然の浄化・再生作用が損なわれているということです。南極棚氷の流出、ヒマラヤの山々やグリーンランドの氷河の後退など、地球の温暖化が原因であるように見受けられます。また、オゾン層の破壊で、高緯度の動植物の生態にも影響が出ており、さらに、皮膚がんの恐れも指摘されるなど、我々人類にとって、環境破壊は大きな問題として表面化してきました。このような世界的な問題を、ひとつの地域、ひとつの国だけで、考え、行動したとしても、解決は困難でしょう。今こそ、21世紀の人間の生き方を模索し、新しい文化の創造、文明の扉を開いてゆく、チャレンジ精神が必要です。世界がひとつになり、人間社会のあり方を今見つめなおし、自然と調和し、共生してゆく生き方が求められる時代だと思います。

旅の具体的な方法としては、隊員が現地から様々なテーマでレポートします。自然、民族、文化、健康といったテーマに沿った情報を、通信機器を用いてホームページにアップします。このホームページ上で、全国の小学校、中学校の子供たちが、さまざまな地球の現状について幅広い視点から学ぶことができるわけです。質問は、専門家にアクセスすると答えてもらえるシステムを構築します。また、生徒たちと隊員との相互通信も行い、現場からの迫力ある生の情報を提供いたします。これらの学習を通して、お互いに共通した認識を深めることが可能となり、地球環境問題に対し理解を持ってほしいと考えます。皆様のご指導とご支援をどうぞ、よろしくお願い申し上げます。

地球縦回り事務局
代表 大場満郎