今日、グリーンランドのシオラパルクの村(世界最北の村)で猟師をしている大島育雄さんに電話をしてみた。
今年は、グリーンランド西海岸の海氷状態が最悪だと聞いたからである。
大島さんが話すところでは、海水の温度が上昇しているので、暖かく、海氷のはりがとても悪い。
家の前の海氷の状態は、厚さが1m程しかない。普通、例年であれば、1.5m(寒い時)はあるのに、と言っていた。
暖かいので、どか雪が降り、海氷上にたくさん雪が降り積もり、海氷の厚さも増えてゆかないと言っていた。
北の方にセイウチ狩りに行ってきたが(ボートで)、海氷の割れ目に、セイウチが逃げてしまい、ボートで追いかけられないので、猟も大変苦労すると言っていた。
今年の冬の初めには雨も降ったので、地面や雪が凍結し、餌となる草が食べられず、ジャコウ牛やレイン・ディアー(トナカイ)数十頭が餓死した、と言っていた。
また、ジャコウ牛にはま油がまったくのっていないと言っていた。餌が足りないのだ。
山の高い方に行くと雨が降らないので、草はある。だから、ウサギは、山の高いところにいて里に下りてこないとのこと。
大島さんはウサギを捕らえて毛皮をなめし、加工し、販売、生計の足しにしているので、困っていると言っていた。
連日のように低気圧が来て、雪が降り、多く積もり、暖かく、気温は現在−10℃前後とのこと。
以前なら夜に気温が下がり、−20℃にもなったのに、今の季節だというのに、まったく暖かくて困った言っていた。
大場満郎
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