2004年5月17日

ニャーコンネの学校にて

ニャーコンネに滞在中は、学校のコンピューターを使わせてもらった。 ヒューレット・パッカードの、最新型WindowsXPに、この村で出会えるとは思わなかった。 ニャーコンネの小学校は、7才から15才まで、全部で9人の子供たちが通っている。 9人の子供たちに対して6台のコンピューターが備えてあった。


低学年のクラスの教室は、コンピュータールームをかねている。
本棚の本は、貸し出しもしている。

クラスは、低学年と、高学年の二つのクラスに分けられていた。 17日、月曜日、私がニャーコンネを去る日の朝学校に行くと、低学年は「書き方」の授業。 高学年は歴史の授業だった。二つの班に分かれて、サイコロを使って双六形式で駒を進めながら、 グリーンランドの歴史に関連したクイズに答えていくという内容だった。


高学年のクラスは歴史の授業中。
クイズ形式で、グリーンランドの歴史を学習していた。


先生と、3人の子供たち。

学校と同じ建物の中に、教会があった。昔は、教会が学校もかねていたのだという。


誰もいない、礼拝堂。


カメラを向けると、はしゃがずにはいられない。


二人の先生と、9人の子供たち。


さよならニャーコンネ

オリョウたちのICE SCHOOLのボートは、依然として直らなかった。 ヌークから届く予定だった部品も、あと2日遅れるという連絡が入ってきた。 でも、この3日間、ずっと海には濃い霧(プヨッコ)がかかっていたので、 もしボートで出発していたとしても、漁は順調にはいかなかっただろうと、前向きに考えていた。 先に出発したウナトックからは、食べ物が底をついてきたので、近くの村からボートで運んでもらうか、 それが無理ならばニャーコンネに戻らざるをえない、という無線が入った。

ヨハネスが、鮫の軟骨から作ったボール「ナタッコ」を、水と一緒に瓶に入れて持ってきてくれた。 絶対日本に持って帰りたいと言ったら、少しでも長く保つようにと、数日間冷蔵庫に保管しておいてくれたのだ。 あとで、また2コ作ってくれたようで、4コのナタッコは、ニャーコンネの記念品になった。

昼前に、ウマナックからヘリコプターが到着した。 気がつけば、ウマナックを出てからもう1週間経っていた。 グリーンランドの「オフ・ロード」、ニャーコンネの滞在は、まさに予定外、予想外の出来事だった。 でも、何の偶然か、運命のめぐり合わせか、私はニャーコンネに来た。 ニャーコンネの水を飲み、山を歩き、村の人たちと一緒に、ロイヤル・ウェディングを祝ったりもした。 世界に、ニャーコンネがあることを、ずっと忘れないでおこうと思った。


ヘリコプターがやってくると、半数近くの村人が集まってくる。

ニャーコンネの村の人たち、イサク、ブーユ、アリバット、オリョウ。 ニャーコンネでのサヨナラには、とてもエネルギーが要った。 犬ぞりの仲間は、いつもジョークばかり言っていたのに、このときはどんな言葉も見つけられなかった。 でも、なんとなくサヨナラより「またね!」の方がふさわしい気がして、「タクース!」と言って別れた。


ヘリコプターが飛び立つ直前。
遠くから見守る犬ぞりの仲間たち。

4人の乗客を乗せて、ブルブルというプロペラの音とともに、ヘリコプターは浮き上がった。 手を振るみんながどんどん小さくなって見えなくなると、広い氷の海の景色が広がった。 犬ぞりで2日間かけてきた道を、ヘリコプターは、比べ物にならないくらい早いスピードで飛んだ。 その速さ感じていると、このグリーンランドの氷も、伝統の犬ぞりも、ハンターの精神も、 今にもこの世界から失われつつある幻のように感じた。 犬ぞりで、ニャーコンネまでやってきた旅の、すべての瞬間が、 氷のスクリーンに映し出される走馬燈のように浮かんできた。 空から、一週間前にできた私たちの犬ぞりの轍(わだち)を見つけると、我慢していた涙がポロポロ流れた。


空から見えた氷の海。
氷が溶け、今年の犬ぞりのシーズンは終わりをつげた。

一緒のヘリに乗っていたアニは、泣いている私をみると、私の手を触って、ポンポンとたたいたり、 おもしろい顔をしたりして、笑わせてきた。アニは、ウマナックに住んでいる娘や孫たちに会いに行くところだった。 隣にいてくれる人がいるというのは、いいものだなと思った。

ウマナックについたら、また忙しくなる。明日はもう、イルリサットに移動する予定なのだから。

    


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